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移住うつや精神的不調、男女差や時期について

海外移住者がうつ症状や精神的不調を経験する割合は、男性よりも女性の方が高いという研究結果があります。また、その時期は、移住後1年以内の初期だけでなく、移住後4年ほど経ったときも注意が必要です。(580文字)

一般に、女性は男性よりも新しい環境への適応力があると信じられている。しかし、はたしてそれは事実であろうか。臨床精神医学的視点から見ると、そのことは極めて疑問なのである。

江畑敬介「移住の精神病理」より

海外移住者の場合、男性よりも女性に精神障害の発生率が高いとされている。

その理由としてあげられているこれまでの研究結果。

1. 女性の方が、社会的接触が乏しく孤独感がより強い。

2. 妊娠や出産にともなう身体的・精神的負担がある。

3. 夫、パートナーに随伴する形での海外移住の場合、自分の主体的意志決定によらないため環境の変化に適応しにくい。

移住と発病の時期の関係

江畑らは、東京に上京後に発病した508人を調査して以下の結果を得ている。まとめた(1983)ところによると、

●男女ともに、上京後1年以内の発病がもっとも多かった。

●その後、2,3年は発病率が低下する。

●上京後4年目よりふたたび激増したあと、その後は徐々に減っていく。

※参考文献:江畑敬介「移住の精神病理」(「女らしさの病い―臨床精神医学と女性論」誠信書房 1986、斎藤 学・波田 あい子編集、所収)




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