老後は日本に帰りたい:夫婦で意見が別れるケース

※この記事は2020年10月2日に公開されたYoutube「NY暮らし、終の棲家を探す日々」を視聴してまとめました。(3,150文字)

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NYの50代日本人夫婦の場合

ニューヨーク在住、子供のいない50代日本人夫婦。妻のAさんは、老後は日本に帰りたいと強く願っているのですが、ご主人はAさんには同意しておらず、すでに人生の半分以上を過ごしたアメリカの生活が気に入っていて、永住権も手放したくありません。

Aさんが老後は日本に帰りたい理由は主に以下のふたつ。

  1. アメリカは医療費が高く、老後は病院にかかる機会が増える。
  2. 歳をとると、第二言語を忘れたり喋れなくなるようになるらしい。(とても流暢に英語を話していた人が、高齢になって日本語しか話せなくなる例をしばしば聞く。)

ご主人がAさんのために日本国籍を捨てたおかげでAさんは永住権を取得することができ、これまでアメリカで自由に働くこともできたのでAさんはご主人にとても感謝もしているのですが、ご主人がまた日本国籍を取得することだって難しくないのです。

老後はご主人といっしょに日本で暮らしたい、でもアメリカにいたいというご主人の気持ちも大切にしたいというふたつの気持ちの間で揺れるAさんがその思いを表現したYoutubeは多くの人に視聴されていて、海外在住の日本人からたくさんのコメントが寄せられています。以下、内容を抜粋して紹介します。

海外在住者たちの意見

国際結婚組の50代です。私も言葉に不安があり、夫に先立たれたら日本に帰りたいと思う一方で、その時には日本に頼れる家族もいないし、友人だって自分たちの生活で手一杯かも知れないと思うとどうしたらいいのかわかりません。 私の「日本に帰りたい」という気持ちは、両親や兄弟が存命であるという条件つきのものかなと思うことがあります。

全く同じ不安感を持ってます。私の場合、パートナーがアメリカ人で、将来体がきかなくなったらハンバーガーとピザしか食べれなくなると思うとゾッとします…笑えない恐怖ですよね。

私は旦那さんと同じ立場です。市民権をとって主人を呼びました。私ももう30年近く住んでいます。日本に永住帰国することは考えてなかったのですが、最近は、歳を取ったら日本に帰る事も選択肢に入ってます。健康上の問題を考えたら逆に日本に帰るしかないという選択になると思いますよ。私はこちらでナースをしていますが、ココで医療や社会保障は正直受けたくないです。

最終的には場所より人だと思う。それが子供だったり、家族だったり、夫だったり、友達だったりする。誰かがいるからこそ楽しむことができるし、心配事はどこにいても絶えないものだから、分かち合える誰かがいてくれる場所に、自分を置くのが私の考えです。

私はアメリカ在住25年で1人子供がいるので、きっと老後もアメリカにいるだろうと思います。

同じ悩みを持つ50代です。今私が考えているのは、その時の経済状況にもよりますが、子供が自立したら日本に小さな家を買って一年の半分づつ日本とアメリカで暮らすこと。今コロナで日本に帰れないので余計に帰りたい思いが強くなっているのではないでしょうか。 今の私がそうです。

日本を離れていると妄想がふくらむ

以下はYoutubeコメント欄よりYoshio Endoさんのご意見です。とても納得できました。

僕もアメリカへきてから45年になり、奥さんはアメリカ人です。子供も孫もアメリカにいるので、老後に夫婦で日本に行くという選択はありませんが、帰国したい気持ちは毎年でてきます。

60才になってから引退して時間の余裕もでてきたので、一人で毎年一回だけ日本に行く事にしました。最初の年は、家具付きマンションを1か月借りて、毎年少しずつ滞在日数を増やして、将来は毎年3か月日本、9か月アメリカ的な生活がいいかなって思っていました。

しかし実際にやってみると、3か月東京で一人暮らしというのも楽ではないです。2年目は3週間滞在。3年目は2週間滞在。次回は10日で充分かな~と思っています。

ずっと帰国しないと妄想ばかりふくらんでしまい、いざ実際に行ってみると、アメリカ滞在の長い僕にとって東京は、懐かしいけど居心地の悪い所になっていました。いつかは帰国したいと悩むよりも、毎年少しずつ一時帰国してみると現実的な生活はアメリカの方が住みやすいと思いました。

完全に帰国することよりも、とりあえず何年間か、毎年一時帰国してみると気が楽になると思います。毎年一時帰国をするタイミングになると、誰と会おう、何処へいこう、何食べようとか、考えているだけで楽しいですよ。

Yoshio Endoさん2020年10月10日の投稿
(一部改変)

老いについての固定観念

以下もとても納得のいくと同時に勇気の出るご意見。このYoutubeを教えてくださったスイス在住約30年のモウさんからいただきました。

Youtubeを観てはじめに浮かんだ感想ですが、海外に住むことと関係なく、多くの人が、歳をとると必ず入院するとか、誰かの助けが必要とか、誰かにオムツを替えてもらうとか、ボケるとか、そういった老人のイメージに固定されすぎている気がします。

芸能人が結婚するときも、将来この人にオムツを替えてもらいたいなんていう人もいるくらいですが、固定観念を持ちすぎなのではないでしょうか?

私だって将来、オムツが必要になる可能性もありますが、現在88歳の母をはじめ、母の周りの友人や知人も、みんなそれなりに小さなことはあるものの誰も大病もせず、自立して(高齢者なりに)“普通の”生活をしています。

母は杖だけは持って歩いていますが押車なども必要ないし、FaceTimeで喋っても滑舌も悪くないし、ネットサーフィンもするし、TVでドキュメント見たり、映画も観るし、友人と本を貸し借りしたり、全く普通です。決して母が例外なのではなく、母の周りにいる、母の小学校、高校、短歌の友人みんな90歳近いのに全く普通に暮らしています。

私のお茶の先生も同じく88歳で、介護施設でお茶を教えてられますし。

アメリカの医療費を心配したり病気になることを心配するより、健康を維持するために自分でできる事をすることで不安も小さくなるのではないかと思いました。

スイスのモウさんよりの私信(2020年10月11日付)

Aさんの不安に共感していたのですが、モウさんのご意見で力が湧いてきました。みなさん、いっしょに元気な老人になることを目指しましょう!

「NY暮らし 終の棲家を探す日々」

これが内容やコメントを引用させていただいたYoutubeです。左利きのAさんが丁寧にロールキャベツを作る動画を背景に、Aさんの思いがテロップでゆっくり流れる12分半。

正直に言うと、せっかちな性格でいつも時間にも余裕がないわたしは、”ながら視聴”のできないこの形式のYoutubeは苦手なのですが、内容が興味深くて途中でやめられなくなり、さらにこうしてまとめたくもなり、結局誰よりも何度も、誰よりも長時間かけて視聴させていただきました。

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